肘内側部の骨化進展過程

成長期は筋骨格系が未発達であり、成人期と見方を変えなければなりません。成長期の最脆弱部は骨端の成長軟骨です。

 

骨端線が開存している時期にはこの骨端の成長軟骨に障害が起こります。そのため成長期肘内側障害を理解するために、正常の骨化進展過程を把握する必要があります。

 

          元気な骨のキャラクター

 

内側上顆は6~9歳に骨化中心が現れ、徐々に骨端線が形成されます。10~12歳で内側上顆の骨化が進行し、13~16歳で骨化が完成します。

 

一方で滑車の骨端核は10~12歳に骨端核が出現し、13~16歳に骨化が完了あいます。

 

内側上顆と滑車は骨端核の出現時期、骨化進展過程が異なるため、両者が一体となっていると気づき難いが、MRIを見ると両者はつながっています。

 

このため内側上顆と滑車の骨端核を合わせて、内側骨端複合体と呼んでいます。この複合体ごと離開する症例も存在します。

 

また投球側は非投球側より骨端線の閉鎖が早い傾向にあります。投球側の骨端線の閉鎖が非投球側と比べて遅いときは、骨端線の閉鎖不全や閉鎖遅延を疑います。