肘内側部の解剖

肘内側部の外傷や障害の発生メカニズムを理解するには、まずは解剖を理解する必要があります。

 

肘関節には関節を安定化させる支持機構があり、内側部では内側側副靭帯がその役割を担っています。

 

内側側副靭帯は前斜走線維、後斜走線維、横走線維から成り立っていますが、外反ストレスに対して最も安定化させる役割は前斜走線維(AOL)が担っています。

 

この強靭なAOLにより成長期は最脆弱部である内側上顆下端の骨端に強い牽引ストレスがかかり障害が起こります。

 

また内側上顆近位前方には前腕回内屈筋群が付着しています。

前腕回内屈筋群とは、尺側手根屈筋(FCU)、浅指屈筋(FDS)、長掌筋(PL)、橈側手根屈筋(FCR)、円回内筋(PT)から成り立ち、それぞれの付着形態には個人差があります。

 

この前腕回内筋群の牽引ストレスも内側上顆の骨端線の障害や外傷の原因になります。