椎間板ヘルニアとは

背骨には上から順に頚椎・胸椎・腰椎・仙椎と名前がついていて、正式には脊椎(せきつい)と呼ばれます。


病院で撮る一般的なレントゲンに写っているのは硬い骨の椎体骨(ついたいこつ)で、その間には椎間板(ついかんばん)と呼ばれる軟骨が挟まれています。


軟骨といっても全体重を支えている背骨の一部とも言えるわけですから、特に外側の線維輪(せんいりん)と呼ばれる場所にはそれなりの硬度があります。


脊椎の内側は髄核(ずいかく)と呼ばれ、線維輪と比べて軟らかめの組織となっています。椎間板の真後ろには脊柱管(せきちゅうかん)と呼ばれる脊髄の通り道があり、その両脇には、脊髄から分岐して体幹・四肢(両手両足)へ向かっていく大事な太い神経が走っています。

 

         椎間板ヘルニアのイラスト


あるとき、何らかの原因で椎間板の外側にある線維輪が裂け、中身の髄核(ずいかく)が飛び出してしまうことがあります。その場合、飛び出した方向次第では、脊髄や脊髄から枝分かれした神経を圧迫してしまいます。この状態を「椎間板ヘルニア」といいます。


椎間板ヘルニアは頸部に見られることなどもありますが、大多数は腰部で発症し「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれます。腰椎椎間板ヘルニアは重いものを持つなどして腰に負担をかけることで起こりやすく、好発年齢は20〜40歳代ですが、高齢の患者も増えてきている印象です。