健康資産

生きていくうえで一番重要ものは「健康」ではないかと思います。

 

健康な時にはその恩恵を忘れがちになりますが、健康への投資というのが最も理にかなった投資なのではないでしょうか。

 

健康への投資といってもそんな大それたことではなく、体調管理の為に適度な運動をし、きちんと食事や睡眠をとったり、家族など身近な人とコミュニケーションをとるなどといった基本的なことです。

 

このようなことを当たり前にこなすことが大切ではないかと思います。

 

極端な例になってしまいますが、不健康なお金持ちと健康な貧乏人であれば、人生を謳歌できるのは後者ではないかと思います。

 

尺骨神経麻痺のリハビリ

尺骨神経麻痺の症状が進行すると、手首や指の筋肉がやせ細ってしまいます。
すると治療を行っても、すぐに日常生活へ復帰することが出来なくなってしまうのです。
ゆえに尺骨神経麻痺では、弱った筋肉を回復させるリハビリが必要になります。

 

尺骨神経上の筋肉に過度な緊張がないかを触診し、緊張している部分や硬くなっている部分があれば軽い圧迫を与えてリリースします。
筋肉をほぐすことで症状が改善する場合、筋肉が影響して麻痺が生じていると考えられます。原因となる部分の筋肉をなるべく使わないようにします。

 

鉤爪変形などの予防・改善のために、重症度に応じて関節を正しい位置に固定するための装具をつけます。
装着時は麻痺している筋肉以外の部分まで衰えてしまわないよう、日常生活の中でも手を動かすようにしましょう。

 

知覚再教育はまず感覚が麻痺している部位に対して、触って圧をかけるなどの刺激を加えるところから始まります。
それを視覚で確認した後、目を閉じていても刺激を受けている状態が分かるように集中していきます。
改善していくにつれて物体認知や素材識別知覚など、感覚から情報を得るための訓練を難しいものにしていきます。

 

神経ほか損傷部位に影響しない範囲で、他動的な関節可動域運動をしていきます。
特に尺骨神経麻痺の場合は、指の付け根の関節(MP関節)の屈曲と、指節間関節(IP関節)の伸展が不十分であるために、手指の屈曲拘縮を引き起こしてしまうのです。付け根の関節を曲げつつ、指節間関節の進展運動を重点的に行いましょう

 

神経の圧迫や炎症が改善してきたら、あまり大きな負荷をかけない筋力トレーニングを始めていきましょう。徒手筋力検査(MMT)の結果によって、各々のアプローチは異なります。

 

 

尺骨神経麻痺の治療

肘部管症候群の場合は、肘を曲げるなどで肘の内側を圧迫しないことが必要です。
特に頬杖は、もっとも尺骨神経に負担をかける動作であるとされています。避けた方がよいでしょう。
また、仕事に関連して発生する尺骨管症候群の場合、それを制限することで症状を軽くすることが期待できます。
肘を安静にして、自己治癒力を高めるべく体を休めましょう。

 

尺骨神経麻痺で処方されるのは、主にロキソニンボルタレンといった非ステロイド消炎鎮痛薬です。どちらも胃潰瘍を合併することがあるため、胃薬とともに処方されます。
個人差はあるものの、全身の痛みに対して高い鎮痛作用があります。ただし副作用として胃の不快感や腹痛、食欲不振や嘔吐などを起こす可能性もあるため、不調をきたした場合には速やかに医師に相談しましょう。
また、長期服用では腎機能低下を引き起こすことがあります。慢性的に服用し続けるのは極力避けるべきでしょう。

神経再生薬としては、メチコバールという薬を処方される場合もあります。体内でタンパク質の利用を高め、神経の修復を促進させる作用を持っています。
副作用には食欲不振・嘔吐、下痢や発疹などがあるため、こちらも使用の際には注意が必要です。
薬はあくまで、人間が持っている自己治癒力の補助をするものにすぎません。頼りすぎるのは禁物です。

 

漢方薬は、氣の流れを元に体内から自身の治癒力を高めるためのもの。薬の力で治すのではなく、薬によって自身の健康状態を回復して治すという考えで扱われています。
つまり漢方薬西洋医学の医薬品に比べて即効性が薄く、効果がない場合ももちろんあります。非常に個人差が大きい薬として考えるべきでしょう。
尺骨神経麻痺に対して効果が期待出来る漢方薬は、神経痛に効くとされている以下の3つです。

 

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血行不良の改善に効果のある漢方薬です。
生理不順や生理痛、更年期障害など女性向けの生薬で、頭痛や肩こりにもよく処方されています。

独活寄生湯(どっかつきせいとう)

関節の痛みに効果のある漢方薬です。
冷え性やむくみのある方によく処方されています。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)
血行やリンパの流れを改善し、痛みを発散する漢方薬です。
神経痛以外にも関節痛や筋肉痛など、痛みに対して効果のある生薬です。

 

尺骨神経麻痺の場合、基本的には安静や服薬といった保存療法で治療することが可能です。
しかし骨折や脱臼といった大きな外傷がある場合や、経過観察の結果必要と判断された場合は手術を行うこともあります。
神経組織が激しく損傷している場合も、治療の選択肢として神経剥離・縫合・移植などの手術が挙げられます。

行うのは尺骨管開放術という手術で、神経の周囲を剥離することで、尺骨神経に対する圧迫を解除します。
短時間で行えて出血も少ないため、通常は外来・局所麻酔で可能な手術です。
神経組織の回復が見込めないほどの重症ケースだと、残っている腱を繋ぎ合わせる腱移行術、もしくは手首の腱を採取して移植する腱移植術によって腱組織を再建します。

尺骨神経麻痺の診断

ティネル徴候テストは、神経が圧迫されている部位を指や道具でトントンと叩くことで、指先に感覚異常が走るかどうかを見る検査です。
障害されている指先に知覚異常が発生されたら陽性反応。尺骨神経麻痺であると診断します。

 

フローマン徴候テストは、両手の全指で紙を掴んで引っ張り合い、障害のある方の親指が屈曲するかどうかを見る検査です。
尺骨神経麻痺がある場合、尺骨神経の支配筋である親指以外の指は萎縮・筋力低下を起こしているため、上手く力が入りません。
つまり指で紙を引っ張りあうと、障害のない親指を使おうとして第一関節が曲がるのです。
この徴候をフローマンサインと呼び、尺骨神経麻痺の陽性反応としています。

 

筋電図

知覚神経伝達速度を測定し、尺骨管より中枢の前腕部・尺骨管より末梢の手でそれぞれ尺骨神経の速度を比較します。
手の神経伝達速度が低下していた場合は尺骨管症候群と診断でき、また障害された神経の部位も正確に診断されます。
また筋力低下がある場合は、障害のある部位の筋肉の筋電図に異常が出ます。

尺骨神経麻痺の原因

尺骨神経麻痺が起こる原因はさまざまです。
一般的に挙げられるのは骨折や脱臼・打撲などの外傷。それにより肘関節や手首が変形して、尺骨神経の通り道に病変を起こすことが圧迫の契機となります。

 

ギオン管とは、手首~掌底の辺りにある骨の隙間のこと。手関節を構成する有鈎骨の鈎と、豆状骨で構成されています。
ここを通る尺骨神経が圧迫を受けて麻痺が生じることを、ギオン管症候群(尺骨神経管症候群)と呼びます。
障害される部位は指に限定されます。指が上手く伸びない、指先が痺れるといった症状が見られます。

 

肘の内側で尺骨神経が慢性的に圧迫されて、麻痺を起こした状態が肘部管症候群です。
ガングリオンなどの腫瘤や変形性肘関節症、スポーツにおけるオーバーユースなど、さまざまな要因から発症します。
障害部位は薬指と小指から、小指側の掌です。痺れから始まることが多いようで、神経麻痺が進行すると指が伸ばせないといった症状が現れます。

 

肘の骨折などで尺骨神経が通る部分に障害をきたす、骨折片で神経を傷つけて麻痺が起こる場合もあります。
その際には神経を繋ぐ・移植するといった手術も視野に入れなければなりません。
子供の頃に肘周りを骨折した経験があると、成長に伴って肘が変形してしまうことで、遅発性の尺骨神経麻痺を発症するケースもあります。

 

糖尿病の合併症として挙げられるうち、もっとも早期に出現するのが神経障害です。
神経障害はさまざまな部位で起こりますが、尺骨神経麻痺をはじめとする四肢の運動神経麻痺は、動眼神経麻痺や顔面神経麻痺と並んで頻度が高いとされています。

尺骨神経麻痺の症状

尺骨神経は腕から薬指・小指までの感覚を司るため、ここに障害が生じて尺骨神経麻痺が起こると、手首~肘の間や薬指・小指に麻痺が生じます。
神経のどこに障害を受けたかによって、痺れや感覚の低下が起こる部位も変わります。

 

尺骨神経が傷害されると、細かい動きが上手くできなくなる巧緻運動障害が生じます。
尺骨神経の支配筋は、親指の付け根にある母指球筋を除く手掌の筋肉です。尺骨神経麻痺になると指の屈曲障害も起こることから、筋萎縮と筋力低下を生じ、指に力が入らない・細かい動きができないという症状が現れます。

 

尺骨神経麻痺を生じて手指を上手く動かせなくなると、次第に周辺の筋肉は衰えてしまいます。
手内筋が萎縮して薬指・小指の付け根の関節が過度に反り返ると、第1.2関節が曲がった状態になり、手指が変形してしまうのです。
これを鉤爪変形(鷲手変形)と呼びます。

 

 

尺骨神経麻痺とは

尺骨神経麻痺とは、尺骨神経に何らかの圧迫が生じて起きる神経障害です。

尺骨神経とは、手首を通る三本の主な神経のうち、小指側を走っている神経のこと。鎖骨下~肩辺りにある腕神経叢から始まり、腕の内側を通って手掌部で分岐します。


主に小指周りの筋肉や母指内転筋、背側骨間筋・掌側骨間筋を支配しており、薬指・小指周辺の皮膚を知覚領域としています。
まとめると尺骨神経は、薬指・小指の感覚と、指の開閉を担っていることになります。