野球肘

 


野球肘には外側障害と内側障害の2種類があります。

外側障害は骨同士がぶつかることで生じるものであり、肘の骨と軟骨が剥がれてきてしまいます。一方、内側障害の場合は、靱帯(じんたい)の付け根が引っ張られることで、靱帯や成長軟骨が痛みます。頻度としては、内側障害が多くみられます。

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野球肘の原因と対処・予防法
野球肘の原因はほとんどの場合が肘への過剰な負荷によるものなので、基本的にはスポーツを休ませることが必要になります。野球であれば投球の休止です。休止期間は、最低でも1か月ほどですが、骨が損傷している場合は3か月ほど休ませる必要があります。

 

内側障害の場合は大部分が安静にするだけで治りますが、外側障害は関節が壊れてきているため、進行している状況では、関節を作り治す手術が必要になります。手術を行うかどうかは、レントゲンで進行具合を評価したり、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)検査をしたりして診断します。

 

野球肘は、小学校の高学年から中学生までに多くみられます。手術の頻度は少ないですが、手術が必要となるような場合は末期状態ともいえるため、できればその前に発見して休ませてあげることが重要です。

 

野球肘の予防としては、以下の6点に注意することが挙げられます。

・定期的に休んで疲れをとる

・運動前にはストレッチを行う

・自分のフォームのチェックを行う

・同じ動作を繰り返さない

・痛みや関節の動きなどのチェックを行う

・もしも野球肘を発症した場合は定期的なチェックを受ける

 

2005年、日本臨床スポーツ医学会学術委員会は以下に示すような「青少年の野球障害に対する提言」を出しています。

「青少年の野球障害に対する提言」
 
練習
全力投球数(試合を含む)
 
小学生
週3日  2時間以内
50球  200球以内


中学生
週1日以上の休養日
70球  350球以内


高校生
週1日以上の休養日
100球  500球以内


※1日2試合の登板は禁止

※毎日の投球数を必ず記録すること