病気が原因となる肩こり

頸肩腕症候群

頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)は、同じ作業を繰り返すなど、肩から手の指までの体の特定の部位を動かし続けることで発症するといわれています。

症状は動かす部位によって異なり、肩こりのほかにも肘や腕、手の関節、手の指の痛み・だるさが現れる場合もあります。

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)は、一般的に「四十肩」や「五十肩」といわれているものです。肩の関節を構成する骨や靭帯、腱などが老化し、炎症が起きることで発症すると考えられています。

肩関節周囲炎を発症すると、主に肩こり、肩関節を動かすと痛む、肩関節の動きが狭くなるなどの症状が現れますが、多くの場合では徐々に自然と症状が軽くなっていくといわれています。

頚椎症

頚椎症(けいついしょう)とは、加齢などによって頚椎(首を構成する7つの骨)や、頚椎の骨と骨の間にある椎間板(ついかんばん)が変形し、首や肩などの痛みが現れる病気のことをいいます。

頚椎や椎間板の変形は誰にでも起こるもので、変形しただけでは必ずしも症状が現れるわけではありません。

変形が引き金となって頚椎の近くの脊髄(せきずい)や神経根が圧迫を受けると、主に首や肩、腕の痛み、手足のしびれ、手が動かしにくくなる、つまずきやすくなるなどの症状がみられるようになります。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎を構成する7つの骨の間にある椎間板の一部が何らかの理由で正しい位置から外れて飛び出てしまう病気です。

飛び出した椎間板が近くの脊髄や神経を圧迫すると、首や肩、腕の痛み、手足のしびれ、手が動かしにくくなる、つまずきやすくなるなどの症状が現れる場合があります。

肩こりは関節や筋肉の病気のほかにも、更年期障害や緊張性頭痛、血圧の異常、狭心症心筋梗塞など、体の病気の一症状として現れる場合もあります。

更年期障害

閉経前後の5年間を更年期と呼びますが、この期間に体や心にさまざまな症状が起こることがあります。その中でも日常生活に支障をきたすものが更年期障害です。

症状はホットフラッシュ(ほてりやのぼせなど)、情緒不安定や不眠などが代表的ですが、肩こりや頭重感、腰痛、動悸などが現れることもあります。

緊張性頭痛

緊張性頭痛は、同じ姿勢が続くなど首や肩の筋肉の緊張が主な原因と考えられている頭痛で、頭の両側が締め付けられるような痛みが大きな特徴です。

頭の痛みに加え、肩こりや目の疲れ、めまいなどの症状がみられることがあります。

血圧の異常

高血圧・低血圧など、血圧の異常でも肩こりが一症状として現れる場合があります。

いずれも肩こりや頭痛、体のだるさ、めまい、耳鳴り、動悸などの症状がみられることがありますが、自覚症状がないことも少なくありません。

狭心症心筋梗塞

動脈硬化などによって冠動脈(心臓をとりまく動脈)が狭くなり、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなった状態を狭心症狭心症が進行して冠動脈がさらに狭くなって血管が完全に詰まった状態を心筋梗塞といいます。

激しい胸の痛みや苦しさを伴う事が一般的ですが、肩こりや歯が痛むように感じられる関連痛といわれる症状が現れる場合があります。

狭心症心筋梗塞ともに放置しておくと生死にかかわる可能性がありますので、強い胸の痛みや圧迫感などの症状がある時には、すぐに病院を受診することがすすめられます。